地中海食の本質的な価値のひとつは、自然から生まれた食材の色を生かした鮮やかな料理の「芸術性」にあります。南ヨーロッパの降り注ぐ太陽を浴びた色彩豊かな野菜や果物と、自然な穀物との色のコントラストはまさに感性をワクワクさせます。
華やかな色とりどりのビジュアルと新鮮な食材やハーブの香りが気分を優雅にし、会話を弾ませたり食欲を増進させてくれる効果があります。
地中海食では、地域ごとの豊かな食文化が反映された料理の芸術性を楽しむことができます。ここではフランス、ギリシャ、スペイン、イタリアの地中海料理を簡単に説明します。
◆フランス南部の地中海料理
地中海に面するリゾート地、ニースでは、「サラダ・ニソワーズ」が有名です。トマト、茹で卵、オリーブ、アンチョビ、ツナを使ったサラダで、オリーブオイルがふんだんに使われています。また、マルセイユでは、魚介の旨味が詰まったスープ「ブイヤベース」が代表的です。数種類の魚や貝類を煮込み、サフランで風味をつけたこの料理は、地中海の海の香りを味わえる一品です。
◆ギリシャの地中海料理
ギリシャ料理は、オリーブオイル、フェタチーズ、ヨーグルト、ハーブを多用します。「ムサカ」は、茄子、挽き肉、ベシャメルソースを重ねてオーブンで焼いた料理で、ギリシャを代表する一品です。数種類のカラフルな野菜と、フェタチーズでつくるギリシャの郷土料理「ギリシャ風サラダ」も定番です。
◆スペインの地中海料理
地中海西部の都市、バレンシアは、「パエリア」の発祥地です。サフランで黄色く色付けた米に、鶏肉、海老、ムール貝などの具材を加えて炊き上げた一皿で、地中海料理の象徴的存在です。また、「タパス」もスペイン全土で親しまれており、オリーブや海鮮のマリネ、小さな肉料理などを少量ずつ楽しむことができます。
◆イタリアの地中海料理
地中海沿いの美しい町、アマルフィの地中海料理といえば「アクアパッツア」。新鮮な魚を白ワインやトマトなどと一緒に丸ごと煮込んで、旨味を凝縮させたメニューです。また、レモンを使った料理やデザートも美味。
シチリアでは、「カポナータ」が定番メニューのひとつ。茄子、トマト、オリーブ、ケーパーを煮込んだ野菜料理で、甘酸っぱい風味が特徴です。また、「アランチーニ」というライスボールもシチリアならではの名物です。
このように地中海料理は、それぞれの土地で独自の風味や新鮮な食材の組み合わせを楽しむ、アーティスティックで贅沢な食事法です。
世界的な健康食としての地中海食
ギリシャ、イタリア、スペインに住んでいて、伝統的な地中海食を日常的に摂取する人々は、世界の他の地域よりも健康対策が優れているという疫学的発見から、世界的な健康食として人気があります。
この食事の主な特徴は、オリーブ オイル、豆類、野菜、全粒穀物、魚をメインに、チーズとヨーグルトの適度な消費です。 果物や野菜、全粒穀物、マメ科植物、ナッツなど、主に植物ベースの食品を多くとります。
塩の代わりにハーブやスパイスを使って食べ物の味を調えたり、バターをなるべくオリーブオイルを基本とした健康的な脂肪に置き換えます。
地中海食は世界中で健康志向のアスリートやスポーツ選手も積極的に取り入れている食事法のひとつで、芸術的要素を楽しみながら健康を維持できるというメリットがあります。
地中海食と極上ライフスタイル “EarthlyWorld”
https://fineartamerica.com ➡ Artisticlounge Mediter